「通勤がなく体が楽だから、気持ちにゆとりができる」パパママが感じる在宅勤務のメリット

新型コロナウイルスの流行で全国に初めて緊急事態宣言が発令されたのが、昨年4月。この一年で、生活が大きく変わりました。働き方もその一つ。感染を防ぐため、在宅勤務をする方もいらっしゃると思います。複数の調査結果から、パパママの在宅勤務の実態について見ていきましょう。

この記事では在宅勤務で統一しますが、各調査結果の紹介部分では調査元の表記に合わせています。

未就学児の子どもがいる家庭ほど、在宅勤務はハード

まずは、日本労働組合総連合会が昨年6月に発表した「テレワークに関する調査」の結果から。

調査対象は全国に住み、昨年4月からテレワークを始めた18歳~65歳の男女1000人。このうち高校生以下の子どもと同居している319人に「子どもが家にいるときのテレワークに難しさを感じるか」を聞いたところ、「感じる」が 70.2%に上りました。

連合調査グラフ

難しさを感じる理由のトップ3には、「子どもの身の回りの世話をしなければいけないから」(52.7%)、「子どもの遊び相手にならなければいけないから」(52.2%)、「子どもの昼食を準備しないといけないから」(42.0%)がランクイン。子どもの世話や家事を仕事と並行して行わなければならない状況が、「在宅勤務はハード」と感じさせる要因となっています。

ほかには、子どもが頻繁に話しかけてくるから」(27.7%)や「オンライン会議中に子どもが騒ぐから」(23.7%)など、自宅で働いているからこそ直面する壁も……。

在宅勤務の大変さは、子どもの年齢が大きく関わっています。同じ「子どもが在宅」の状態でも、小学生以下の子どもがいる人ほど「テレワークに難しさを感じる」(80.9%)と答えており、「小学生以下の子どもがいない人」(39.8%)と比べると約2倍の差があります。

在宅勤務のおかげで、「育児にかけられる時間が増えた」

野村総合研究所が昨年9月に発表した「新型コロナウイルス感染症拡大と働き方・暮らし方に関する調査」では、従業員規模300人以上の企業で働き在宅勤務をしている20~59歳の男女3708人のうち、小学生以下の子どもと同居している人898人に対して「子どもを見ながら在宅勤務をした経験」を聞いています。

「経験あり」と回答率は、昨年4月~5月の「緊急事態宣言発令中」では78.4%でしたが、「7月末」には55.5%にまで低下しました。子どもが学校や幼稚園、保育園に通い始めたことから、仕事に集中できるようになっていると思われます。

子どものケアをしながら働くのは大変な面もありますが、出社を前提としない働き方を好意的にとらえる人は多いです。「平常時にも在宅勤務を希望する」と答えた人は、「5月」には54.7%でしたが、「7月」には76.5%に上りました。

NRI在宅勤務平常時意向

また「同居する子どもが1人以上いる」と答えた1,415人に「以前の出社勤務時と比べて、在宅勤務を活用した働き方をして思ったこと」を聞くと、60.5%が「育児・子育てにかけられる時間が増えた」と回答。「かけられる時間が増えた」という言葉から、在宅勤務によって子どもと関わる時間ができたことにメリットを感じていることがわかります。

パパは「パートナーとの時間が増えて嬉しい」

人事・人財紹介のアデコは昨年12月、週3日以上在宅勤務をする子育て中の男女計400人に「働き方に関する意識調査」の結果を発表しています。在宅勤務で感じるメリットのトップには、「通勤時間の削減」(87.8%)が挙がり、続く「子供とのコミュニケーション増加」(58.8%)や「自由な時間の増加」(52.8%)を引き離しています。

在宅勤務のメリット

通勤が減ると時間的な制約がなくなりますし、ストレスも感じにくくなりますよね。男女別で回答の差が顕著だったのが、「配偶者やパートナーとの時間が増える」(男性:54.0%、女性:33.5%)でした。特に男性は仕事に充てる時間が減り、代わりに家族に向き合う時間が増えたことを裏付けています。

光熱費やプリンターがないといった課題も

また調査対象者の、81%が「在宅勤務中に業務外のこと(私用)をすることがある」と回答しています。具体的には「家事」が77.8%で最も多く、「子供の世話」(56.2%)や「家族とのコミュニケーション」(31.2%)が続きました。オフィス勤務時も、就業中にずっとパソコンの前座っているわけではありません。
在宅勤務でもそれは同じ。連絡の待ち時間やちょっとした空き時間にぱっと家事をしたり、家族と話したりできるのはメリットですね。

一方で、在宅勤務の課題も浮き彫りに。「光熱費が余計にかかる(59.5%)」や「机やイスなどの家具が仕事に向いていない(49.5%)」「プリンターなどの設備が不足している、もしくはない」(45.5%)などの悩みが寄せらました。

とはいえ現在の働き方に対する満足度については、約9割が「週3日以上在宅勤務をする働き方に満足している」と回答しています。

調査時期や対象者が異なるので一概に比較はできませんが、子どもが自宅にいる場合の在宅勤務は、子どもの年齢が低いほどハードになる傾向がうかがえます。しかしそんなハードさも、学校や保育園の再開とともに緩んできつつあります。在宅勤務をすると通勤が減るほか、家族と関わる時間が増えることなとから、総じてパパとママからの印象は良く、満足していると言えそうです。

ちなみに、コノビー編集部では……

余談ですが、コノビー編集部では昨年から在宅勤務に切り替えました。そこで編集部のTさん、Oさんに在宅勤務をしてよかったことを聞いてみました。

Tさんは、「通勤がない分、体力的に楽になりました。特に金曜日の夕方の疲れ具合が全然違います。電車に乗る必要がないので、前日の夜にゆっくり過ごせるようになったこともメリットですね」と在宅勤務の良さを話します。またOさんも、「小学生の子どもがいるのですが、個人面談や荷物の引き取りで学校に行く時間が取りやすくなりました。出勤していると、保育園や小学校の行事に合わせて仕事を挑戦するのが大変だったので、在宅勤務をしたことで仕事とプライベートのバランスが取れるようになりましたね」と嬉しそうです。

一方で、「運動不足になりがちなので、どうにかしたいところです…。体を動かすためのゲームを買いましたが、毎日できるわけではないですし」(Tさん)、「オンとオフの切り替えができないことがあります」(Oさん)といった悩みも。

筆者も在宅勤務をしていますが、仕事と家事育児をバランスよくできるのが嬉しいです。通勤がない分、仕事の準備や勉強に充てる時間が作れて、以前よりも仕事が楽しくなりました。ただ、やはり運動不足は気になりますね。休憩時間には意識して、近所を散歩するようにしています。

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