保育園や塾の送迎をもっと手軽に。新しい移動サービス「MaaS」の子育て活用シーン

保育園の送迎に通院、買い物やレジャーなど、パパママにとって子どもを伴っての外出はよく行うアクションの一つ。特に親の付き添いが必要な未就学児を育てるパパママは、普段どんな移動手段を選んでいるのでしょうか。近年、政府が導入を進め、観光地での交通利便性向上や地域の活性化が期待される移動サービス「MaaS」(Mobility as a Service)が、子育てに与える影響についても見ていきます。

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未就学児のパパママの移動手段は、徒歩と自家用車が主流

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが今年3月に発表した「子育て支援の社会的気運の醸成を図るための普及啓発に係る調査研究報告書」を見てみます。

下のグラフは、移動手段別での回答率をまとめたグラフです。未就学の子どもを持つ男女1500人を「3歳未満の子どもを持つパパママ」と「3歳~未就学児の子どもを持つパパママ」の2つのカテゴリ、4つの属性に分けて「子どもを連れて外出する際の移動手段」を質問しました。

子どもの年齢に関わらず「徒歩」と答えたパパの割合に大きな差は見られませんが、ママには若干の差が見られました。特に「3歳未満の子どもを持つママ」の回答率は約7割で、他の属性と比べて最も歩く割合が高くなっています。低年齢児の子どもを持つママはベビーカーや抱っこ紐を使い、歩いて移動する傾向が見られます。

一方で「自家用車を自分で運転して移動する」の回答率は、子どもの年齢に関わらずパパは約8割であるのに対して、ママは約6割にとどまっています。一方で「家族の運転で移動する」では、ママの回答率がパパの約2倍に達しており、運転手は主にパパであることがわかります。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「子育て支援の社会的気運の醸成を図るための普及啓発に係る調査研究報告書」

公共交通機関はどうでしょうか。上のグラフからパパママの回答状況を見ると、「電車」は約2割、「バス」は約1割と、徒歩や自家用車と比べると利用するパパママは一気に減ります。「タクシー」にいたっては使うと答えたパパママは2~4%にすぎません。このことからも6歳以下の子どものいるパパママの主な移動手段は、徒歩と自家用車であることがわかります。

本当は子どもと一緒にバスや電車に乗りたい

公共交通の利用頻度が下がる理由には、パパママが周りの目を気にして利用を避ける傾向があることが挙げられます。「公共交通機関を子どもと一緒に利用時に周りの人に気を遣う」と答えた割合は、「3歳未満の子どもをもつ女性」では87.4%に、「3歳以上~未就学の子どもをもつ女性」でも81.6%と、ともに8割超え。パパはママほどではありませんが、「気を遣う」と答えた割合は6割を上回っています。

「子どもを連れて行ってみたいが、出かけることを控えている外出先」(自分一人と子どもとの外出)では「スーパー」「レストラン・飲食店」「ショッピングセンター・デパート」などに並んで、「電車」と「バス」が挙がります。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「子育て支援の社会的気運の醸成を図るための普及啓発に係る調査研究報告書」

政府も導入を進める新しい移動サービス「MaaS」とは?

近年、MaaS(Mobility as a Service)という新しい移動サービスが取り入れられつつあります。MaaSとは「情報技術を使って自家用車以外の移動手段、たとえばバス、電車、カーシェアなどを繋ぎ、検索、予約、決済をワンストップで提供するサービス」のことです。フィンランドで提唱され、世界中に広まっています。

これまでは個人がタクシー、バス、電車、カーシェアリングなど様々な移動手段にアプローチする必要がありましたが、MaaSでは専用アプリで移動手段の検索、予約、決済までを一括で行えるようになります。

出典:「室蘭MaaSプロジェクト」より

旅行サイトでは目的地や日付を入力すれば、航空券とホテルをまとめて提案され、予約と決済ができます。MaaSは、それの日常生活における移動版のような感じです。ちなみにMaaSは政府も「未来投資戦略2018」に盛り込んで国内各地で実証実験が行われています。

国内での利用事例をみてみましょう。トヨタ自動車株式会社と西日本鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社は協働で「my route」(マイルート)というサービスを福岡エリアで行っています。利用者は、バスや鉄道だけでなく、タクシー配車やレンタカー、駐車場予約など様々な移動手段を組み合わせたルート提案を受けられます。観光したい人にとって、現地での二次交通の手配までできるのはありがたいですね。

出典:「my routeトップページ」

自宅から半径2キロ以内のちょい乗りを月額5000円で乗り放題

ではMaaSは、子育てシーンでどのように活用されているのでしょうか。東京都渋谷区と京都府京丹後市で提供されている定額制乗り放題サービス「mobi」の事例をご紹介します。

月額5000円を支払えば、自宅から半径2km圏内とを何度でも移動できる、いわばタクシーのサブスクです。呼び出し後約10分で到着するスピーディーさがあるほか、AIが最適なルートを検索してくれる。登録者本人が5000円を支払うが、同居家族一人につき月額500円で追加できます。

出典:「mobiトップページ

mobiの特徴の一つは、同じ方向に向かう人と相乗りすること。mobiの運営を行う株式会社WILLERはこのことについて「同じライフスタイル・同じ価値観で繋がった人たちのコミュニティで共有し、コミュニティのみんなが毎月定額を出し合うことで、運転手付きの車を複数台共有する感覚で利用できます」と表現しています。

利用イメージは、雨の日や月曜、金曜など荷物が増えるの保育園送迎や子どもを伴っての買い物、塾や学童、習い事の送迎、パパママの駅までの移動などです。雨天や荒天時には自家用車で送迎するケースがありますが、保育園の駐車スペースは限られているほか、園周辺に渋滞を起こし交通リスクを高めてしまいかねません。相乗りできれば車数を減らせるで保育園や近隣住民にとっても利点があると思われます。

加賀市はMaaS導入で、子どもの塾や学童の送迎を実施

mobiのように正式にサービス提供されてはいませんが、全国では子育て世帯向けに様々な実証実験が行われています。事例を2つご紹介します。

川崎市と小田急電鉄株式会社は今年2月~5月の間、複数のバス、タクシー運行企業と協働してオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の利用実証実験を行いました。目的は、小田急線新百合ヶ丘駅周辺道路の混雑緩和や保育・教育関連施設などと連携し、て利用者の促進と子育て世帯の送迎負担軽減といった地域のニーズを検証すること。配車依頼から支払いまでは、小田急電鉄株式会社が運営するMaaSアプリ「EMot」(エモット)上で行います。利用者は、駅周辺に設けられた約500箇所の乗降地点(ミーティングポイント)間を移動できます。

また石川県加賀市では、小学生を対象に塾送迎サービスの実証実験を行いました。パパママが子どもの塾や学童などの送迎に充てる時間をなくすことで、その時間を有効的に使い生活の質を上げるのが狙いです。小学校に進学すると保育園よりも帰宅時間が早まり、パパママは働き方を変える必要に迫られる「小1の壁」に直面します。そこで市が主導でMaaSを導入し、保護者に変わって子どもの送迎を担うことで、小1の壁の緩和にも繋がる効果も期待できます。

出典:「令和2年度 第2回 加賀市地域公共交通活性化・再生協議会

(文:そのべゆういち)

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