コロナ禍の夏休みにパパママが思うこと「子どもにもっと運動を」「英語・プログラミングを習わせたい」

幼稚園や小学校では夏休みがスタートしました。昨年に続き、コロナ禍といういつもと違う夏休みを迎えるにあたり、パパママはどんなことを感じているのでしょうか。長期の休みに子どもにさせたいことや学ばせたいことなども交えて、複数の調査結果からご紹介します。

子どものストレスを心配

まずは、クラシエフーズ株式会社が今年7月に発表した「夏休みの過ごし方とスポーツに関する意識調査」から。3歳から9歳までの子どもがいるママ400人に「夏休みに子どもに体験させたいこと」を聞くと、最も多かったのが「自然に触れさせたい」(56.0%)でした。休み期間を利用して山や海に行ったり、動物や昆虫に触れたりする体験をさせたいというママの気持ちがうかがえます。しかし2位には「ストレスを発散させたい」(48.3%)がランクイン。行事が中止されたり、会話の自粛(黙食)を推奨されたりと、コロナ禍ならではの生活の変化にさらされてきた子どもの心を心配する声が挙がっています。

子どものストレスをどう発散するかについては「コロナ禍での夏休みで感じる不安」でもトップに挙がっており、ママにとって子どもの心のケアは大きな関心事。室内で過ごすことが増え、「子どもの運動不足」も心配の種になっています。

出典:ともにクラシエフーズ株式会社「夏休みの過ごし方とスポーツに関する意識調査」

ママの約8割「もっと運動させたい」習い事では「水泳」が人気

調査対象となっている3歳から9歳までの子どもがいるママ400人のうち、コロナ禍における子どもの運動不足を約7割が感じており、「子どもにもっと運動をさせたいと思う」の回答率は約8割に上っています。

出典:クラシエフーズ株式会社「夏休みの過ごし方とスポーツに関する意識調査」

子どもに何かしらのスポーツをさせていると答えたママは約4割。習っているスポーツで最も多いのが「水泳・アーティスティックスイミング」(16.3%)で、「サッカー・フットサル」(10.5%)が続きました。子どもが室内で行っている運動には「トランポリン(室内用)」(18.5%)、「ダンス」(14.5%)、「体操」(13.0%)が挙がっています。

勉強や体験機会の少なさに不安。英語やプログラミング学習に意欲

続いては、株式会社イー・ラーニング研究所が同じく今年7月に発表した「2021年子どもの夏休みに関する調査」(20代~50代のパパママ231人が対象)の結果を見ていきます。

コロナ禍での長期休みで気をつけたいことのトップは「運動不足」(144人)で、わずかな差で「コミュニケーション不足」(136人)が続いています。コミュニケーション不足がどんな内容か調査結果は明示していませんが、3位が「スマートフォンなどの依存」(98人)であることから、親子間、友達間での対面でのコミュニケーション機会の減少を指しているものと思われます。

ストレスケアや人間関係面のほかには「学習時間不足」(72人)や「体験の機会の損失」(88人)など、学習面に不安を感じるパパママも。子どもの夏休みにさせたい習い事の上位には、「英語・英会話スクール」(139人)が最も多く、「プログラミング」(117人)、「スポーツ系」(107人)が挙がっています。英語やプログラミングは2020年度から小学校で必修化されています。それだけに、パパママが強い関心を向けています。

出典:ともに株式会社イー・ラーニング研究所「2021年子どもの夏休みに関する調査」

キャッシュレスや働き方、キャリアプランを子どものうちから知ってほしい

今後子どもに知ってほしい社会トレンドについて質問すると、「キャッシュレス化」(141人)や「働き方・キャリアプラン」(121人)など、時代を反映した項目にパパママの関心が集まっています。お金も職業選択も生きていく上で必要な知識なので、小さい頃から学ぶことは大切ですね。また「気候変動・資源不足」(81人)や「ジェンダーレス」(56人)といった社会的な課題を知ってほしいとの回答も見られました。

出典:株式会社イー・ラーニング研究所「2021年子どもの夏休みに関する調査」

ドローンがきっかけで、プログラミングに興味を持った事例

最後に、小学5年生の男の子を持つママに夏休みの過ごし方や習い事に関するリアルな声を聞いてみました。

「コロナ禍ではマスク着用や給食時の会話の自粛など、新しい決まりができ子どもたちは慣れるのが大変だと思います。息子はそれらに強いストレスを感じてはいなそうですが、普段から会話をして彼が今の状況をどう感じているかを知るように心がけていますね。夏休みで私が注意したいのは、子どもの睡眠と食事です。暑い日が続きますし、今でも東京都には緊急事態宣言が出ています。外出は極力控える方針です」

息子さんはいくつかの習い事をしていますが、特に熱中しているがプログラミングだそう。

「きっかけは、高校生の長女の影響でドローンに興味を持ったことでした。自宅にドローンがあり、飛ばして遊んでいます。遊んでいるうちに『自分が思うようにドローンに動かしたい』と思うようになり、プログラミングを習いたいと話すようになりました。自分から勉強したいと思って始めたことですから、意欲的に勉強しています。熱中できることを見つけたので、毎日楽しそうです」

ドローンといえば、東京オリンピックの開会式の演出でも話題になりました。そのほか、空撮のように実用化も進められています。プログラミングができれば、ドローンをいろんなシーンに合わせて自由に動かせるようになります。さらにプログラミングは学ぶ過程で論理的思考力や問題解決能力が身につくため、子どもの「考える力」を養うきっかけとなるメリットも。習い事としての関心をますます集めていくのではないでしょうか。

(文:そのべゆういち)

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