パパママが子ども服選びで重視するのは「価格」が1位。月にかける金額は「3000円未満」がトップ

子育で必要なものはたくさんありますが、衣食住と言われる通り衣服は生活で大切なアイテム。今回は子ども服をテーマとし、パパママが子どもの服をどこで買うかや購入の頻度、使う金額などについて民間企業と行政の統計からご紹介します。

子ども服の購入場所は、実店舗が人気

まずは、アパレル販売を行うスペース株式会社が今年8月に発表した「子ども服の選び方」に関する調査(20代~40代で子育て中の女性1018人)の結果から。子ども服を購入する場所の1位は「量販店(実店舗)」(82.0%)、2位は「子ども用アパレルブランド」(実店舗)(56.1%)と実店舗の人気は高いです。お店では商品を実際に見たり、手に取って肌触りを感じたりできるのが利点です。また試着もできるため、購入前にサイズの確認も容易です。こうした点でママは実店舗を高評価していると思われます。

出典:スペース株式会社「子ども服の選び方」

3位は「インターネット通販」(46.4%)でした。コロナ禍で外出を控えたり、近くにお店がなく子連れでの買い物がしづらいママにとってはネット通販は便利なサービスです。商品ページの写真や着心地の説明が充実しており、実店舗で服を手に取らなくも購入後の使用感をイメージしやすくなっているのは嬉しいですね。現にアパレルのEC化率は年々上昇しているので、子ども服選びや購入手段としての需要が高まってくるのではないでしょうか。

価格をクリアしたうえで、デザインやサイズをチェックする

子ども服選びでママが最重視することのトップは「価格」(81.1%)で、2位の「デザイン」(62.1%)を引き離しています。3位以降には「サイズ感(36.5%)、「素材、品質」(36.4%)、「子どもの好み」(24.2%)がランクインしていますが、ママがそれらの項目をチェックするのは、まず価格をクリアした後と言えそうです。

出典:スペース株式会社「子ども服の選び方」

ママが月に子ども服にかける金額で最も多かったのは「3000円未満」(59.0%)で、2位の「3000円以上~5000円未満」(26.4%)に約2倍の差をつけています。約9割のママが「1ヶ月に子ども服に使うお金は5000円未満」と答えています。

ママの服と一緒に子ども服を購入することがある

子どもはどんな洋服を好むのでしょうか。1位は「色やデザインが気に入っている服」(76.4%)で、「着心地の良い、肌触りのいい服」(42.4%)」、「知っているアニメや絵本などのキャラクターの服」(30.8%)が続きました。子どもは着心地よりも、色やデザイン性など見た目を重視しています。

出典:スペース株式会社「子ども服の選び方」

子ども服を買うタイミングについては、約6割のママが「自分の服を購入する際に子ども服を一緒に買うことがある」と答えています。ママの洋服の買い物が、子ども服の購入機会に繋がることもあるようですね。またママの中には「親子で一体感があるから」や「子どもが小さい時にしかできない事だと思うから」との理由で、子どものペアコーデを楽しむ人もいます。

子ども服を買う理由は、「すぐに着られなくなってしまう」がトップ

続いては、株式会社スタジオアリスが今年8月に発表した「子どものお出かけと服装に関する調査」(0歳~2歳の子どもを持つ男女500名が対象)の結果から購入枚数や購入理由などについてご紹介します。

出典:株式会社スタジオアリス「子どものお出かけと服装に関する調査」

パパママが1か月に購入する子ども服の平均枚数のトップは、「1着以上~3着未満」(54.8%)でした。購入の理由には、「すぐに着られなくなってしまうから」(49.8%)や「汚してしまうから」(22.8%)など、必要に迫られて買うといった項目が挙がっています。子どもはおもらしや食べこぼしで服を汚しがちですし、汗をかきやすいので頻繁に着替えもします。保育園や幼稚園に通うとなると、着替え用に枚数が必要です。

子ども服1着あたりにかける平均費用は「1,000円未満」(48.6%)が最も多く、「1000円以上~2000円未満」(35.8%)が続いています。

シーズン始めにまとめ買いし、基本的に買い足しはしない

子ども服購入で重視することや決め手、許容する価格帯について現役のママでもあるConobie編集部メンバーにも聞いてみました。

幼稚園児の子ども2人を育てるAさんは、

「たまにアウトレットで買いますが、ネットで購入することが多いです。子ども服を買うタイミングはシーズンの始まりで、たいていはまとめ買いをしますね。よほどのことがない限り、シーズンの途中には買いません」

と話します。

子ども服にかける費用については、

「毎月買うわけではないですが、1ヶ月に均すと2000〜3000円ほどでしょうか。購入時には価格はやっぱり重視しますね。あとは素材やデザイン、すでに持っている服と合うかどうかなど総合的に見て買うかどうかを判断しています」

ということでした。

続いては小学生の双子を育てるUさんの回答です。

「実店舗とネットが半々くらい利用しています。たとえば『半袖の枚数が足りないから2〜3枚欲しい』や『学校の遠足で長ズボンがいる』など目的が明確な時や急ぎの際にはネットで購入します。実店舗で買うのは通りがかりや子どもとの楽しみとしてのショッピング時が多いです」

購入タイミングについてはAさんと同じく「シーズンごと」がメイン。シーズン中に買い足すことは基本的にはなく、たまにセール期間に購入する程度です。

「我が家は双子なので、片方が気に入って選んだものも念のためにもう1人に色違いを揃えます。なので服の量はものすごいですね。一回あたりの買い物では2人で1万5000円〜2万円くらいは使います。一着1500円以内であれば口出しませんが、1500円を上回る場合は来年も着られるかを考え、丈夫さやサイズは私が確認します」

と話してくれました。価格は子ども服購入を決める際の重要な判断材料であることや、できるだけ余計な服を買わないようにする様子が伝わってきます。

2025年に高齢化が加速。現役世代の社会保障費負担増で、パパママは価格にシビアになりそう

子ども服の購入でパパママが重視する価格ですが、このことは総務省の「家計調査報告」にも表れています。今年7月時点の二人以上の世帯の消費支出は26万7710円でしたが、このうち子ども服を含む「被服及び履物」の消費支出は8957円でした。

総務省「家計調査報告」より筆者作成

まだ感染症の強い影響がなかった昨年1月には1万2000円台でしたが、その後は約1万1000円近くまで戻る月があったものの、直近では8千円台後半に落ち込んでいます。緊急事態宣言が発令された時期でもある昨年4月と今年2月では支出額の落ち込みが激しく、洋服の購買意欲にコロナ禍が影響を与えていることがわかります。

もう少し先の話をしますと、2025年には人口における65歳以上の割合(高齢化率)が約30%になる「2025年問題」に直面します。2025年は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるタイミングでもあり、国民の4人に1人が75歳以上という人口構成に変化します。高齢化社会では介護や医療などの社会保障費が膨らみますから、現役世代の負担が増す可能性があります。そう考えると、子ども服だけでなくあらゆる商品やサービスの価格についてパパママがシビアになるのは仕方がないことだと言えそうです。

(文:そのべゆういち)

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